2024-12-02
株式会社S 浅利昇太社長 インタビュー
代表取締役 浅利 昇太 社長
株式会社S
株式会社S
- 起業するに至った経緯を教えて下さい。
- 私の自分の将来の夢といいますか、社会人になっての将来像の一つに、起業するという気持ちはありました。漠然とした思いの中、私は高校卒業から自衛隊に入って公務員を経験させていただき、そこが社会人の第一歩目となります。
すごくやりがいはあったんですが、決められた範囲のことしかできないというものに違和感を感じていて、自衛隊を退職して海外で生活もしました。
その後、日本に戻ってきて通信系の仕事をしていたのですが、色々な経験をさせていただく中で、やはり、自分で意思決定をして自分の裁量でどこまでもチャレンジしてみたいという思いが強くなって、もともとの夢でもあった企業という道を選び、現在の株式会社Sを設立しました。
- 浅利社長が一番紹介されたい、ご実績や成果について教えてください。
- 結論から言うと、コロナの時期にコロナ関連のコールセンターをいくつもの行政と組んでお仕事させていただいたというのが、一番紹介した実績や成果です。
もともと私は、こちらからお客様に電話をかける代理店としてのコールセンターをずっとやっておりました。
コールセンター業務をメインに、売り上げも人員拡大も行っていたのですが、大手通信キャリアさんから代理でお客様獲得してくださいという要望もあって、順調に会社は成長していきました。
しかし、誰に喜ばれるかといえば、やっぱり注文してくれたクライアントさんに喜ばれる。
クライアントさんの役には立つんですけど、社会の役には立ってはいないんじゃないかとも感じる部分がありました。
その中、コロナが来て、私たち全くやったことのないジャンルの仕事のオファーがありました。
発熱された方からの相談を受け付ける業務で、受電から、看護師さんに電話をつないだり、またはコロナで外に出れなくて食べ物がないという電話があった時に配食の手配をするなど、適切な対応を行ってまいりました。
また毎日の経過観察という業務を仕事として行った時に、本当に社会全体の役に立っているという大きな実感を感じ、やはり、一つのことに特化するのではなく、色々なジャンルのコールセンターとして業務をできるようにならないと、存在意義がないなと思うようになり、コロナがきっかけで転機となりました。
- 業界動向を踏まえた上で、短期・中期・長期の将来実現したい会社の将来像について教えてください。
- 社会に必要とされる仕事や存在でありたいと思っていまして、短期・中期・長期全てにおいて一貫して同じなんですけど、「社会に必要とされる」というところですね。
具体的に例をあげると、高齢化社会の中、高齢者を相手にした詐欺や、強盗事件が多発しているということがあり、また、独居老人と呼ばれる人たちの孤独死も社会問題となっております。そこを、コールセンターの力で何か役に立てないかなと思っています。
あくまでニュースを見ている限りとかですが、水道業者を装って点検と嘘をついて、敷地の中に入て、強盗に入る前にも下見をしていたりするようです。
我々が毎日お電話をして、今日誰か来ませんでしたかと呼びかけたり、変な人が来たと言われた時には、警察に通報して見回強化をお願いしたりも出来ると思います。
また、家族に相談しようとしても、その家族が電話にすぐ出られないこともあると思います。そこで詐欺などに気付かずに振込詐欺に騙されてしまうこともあるかもしれません。我々、コールセンターは営業中であれば必ず誰かが電話に出ますので、セーフティーネットとしての機能も果たせると思います。
犯罪を防ぐ一助になれたいという想いもあり、そういうような形で社会の役に立っていきたいとも考えております。これが実現したい会社の将来像の一つですね。
ニーズがないと仕事ビジネスは成り立たない。
そのニーズが限定的であればあるほど会社の発展は難しい一方で、本当に社会に役に立つということがちゃんと実践できてる会社は伸びていくし、長続きしていけると感じるようになりました。
社会貢献をしたいから会社があるというよりも、みんなが自慢できる会社にしたり、長続きしていくために、社会の役に立つことをやらなければ、という発想にはなってますね。
- 経営者として師匠として仰いでいる方はいらっしゃいますか?
- 2人居ります。
一人は前職の会社の社長です。
前職は同じくコールセンターなんですけど、そちらの方は本当に多くのことを学ばせていただきましたし、今も交流があって、アドバイスいただいたりしてるんで、師と仰げるかなと思います。
大手キャリアからの依頼で、お客様のニーズに合わせた加入促進を行っている会社です。
もう一人は、弊社の顧問をやってもらってるんですが、元横浜市長の中田宏先生ですね。
彼の勉強会なんかにも参加させていただいたことがご縁で、弊社の顧問に就任して頂いたのですが、今でもしょっちゅう会いますし、函館にも来てくれたりもするぐらいフランクな方で、この度、第2次石破内閣においては、環境副大臣に任命されていて、手の届かない人になるのかなと思ったら今でも頻繁に電話を頂いたりもしており、今年の弊社の忘年会にも来ていただけるという感じなんです。
中田宏さんは勉強する姿勢や持っている知識量、様々なジャンルに精通しており、本当に勝手ながら、お手本になる師匠だなと思っています。
政治家として、様々な業務があって多忙な中、一緒に食事をしている時に、野菜が出てきたら、野菜ソムリエの資格を取りたいんだと言って、カバンから本を取り出して、勉強を始めたりするんですよ。
この学びに対する姿勢は本当に尊敬してます。
中田さんが横浜市長になったのが私と同じ38歳くらいだったはずなんですが、私の悩みがちっぽけに感じるんですよ。
横浜市のかじ取りを、私と同じ年齢でやっていたのだと考えると、私も、もっと頑張らなきゃないけないなと思いますね。
- 座右の銘を教えてください。
- 私は普段から提唱する座右の銘はないんです。
ただ、座右の銘って何なのか、と考えた時に、常にそばにある大切にしている事と理解してまして、回答にはならないと思うんですが、私はよく調子に乗っちゃう時があるんですが、調子に乗らないように自分を戒めなきゃいけないとも思っていて、札幌に居る時は毎日北海道神宮へお参りに行っております。
全ての出来事は神様を含めた周囲の人のおかげというところがあるから、謙虚でもいられるっていう考え方です。
- 貴社にはどのような社員様が所属されてますか?
- 一言で言うと、本当に素直な従業員が多いと思ってます。
うちの会社は服装、髪型、年齢、性別、何も関係なく全部自由なんですね。そこがコールセンターの強みだとも思っています。色々な見た目、年代、性別の社員がいますけど、やっぱり全員素直であるというのは自信を持って言えますね。
在籍年数が長くなってきてるっていうのもありますから、20歳で入った社員も今26歳になってるとか、大体32、3ぐらいが平均年齢になってると思います。
- 貴社の福利厚生について聞かせて下さい。
- 社員旅行、忘年会やハロウィンをはじめ、ランチ会など社内イベントも様々行っておりますが、自動販売機をフリードリンク制にしたり、定期的にマッサージ師に弊社に来てもらって社員が受けたりしております。
社員旅行では東京、大阪、ルスツリゾートなども行きました。 - 貴社の顧客やお取引相手様の特徴を教えてください。
- 弊社の取引先においてはもう本当に幅広いと一言で言えます。
代理店業務をメインとした営業のコールセンター会社だったので、主要取引先は大手通信キャリア様ですね。
そこから私たちがリスト業者さんから電話帳のリストをまとめたものを見ながら、お客様に一件一件電話をしていくというような仕事をしてたんですねですけど、今はコロナをきっかけに、その事業ももちろんやりながら、企業様の受電代行だとかそういったものをどんどん広げていってるんです。そちらが毎月のようにクライアント様が増えていっております。
上場企業様からの結婚相談所業務の事務受付代行をやったりとか、または全く違うジャンルでいくと、弁護士事務所さんの相談対応の一時受けをやって、そこから振り分けたりも行っております。
また、オンライン診療の注文受付も行っております。
あとオーソドックスな王道でいくと、ECサイトの受付や発注の処理、クレーム対応とかですね。
ジャンルを問わずとにかく人手不足といいますか、本業に集中したい人たちが多いということですね。
我々が受けた電話はフィードバックしたり、録音を渡したりということで、自社のレベルアップにも役立ててもらうようなところもあります。
- ご自由に自社PRをどうぞ。
- 株式会社Sという会社はコールセンターの会社でして、もともとは代理店業務をメインに仕事をしていました。
そこからコロナという転機があって、インバウンドの業務も行うようになりました。
インバウンドのコールセンターとは、インとアウトって表現をするんですけど、アウトの方がリスクがある分、自分たちの力で人数の拡大も売上アップもできるんですね。一方でインバウンドは企業様から電話の代行を受けてって言われないと仕事になりません。その企業様の規模によって1日10件の電話の企業様があれば100件の電話もあるわけでなので、自分たちのサイドで人を増やすことはできないんですね。
10件しか来ない電話に1日人数1人で十分なところを3人雇ったって赤字になってしまいます。コロナを転機にインバウンドの世界も見て、インとアウトの両方が必要だなと思って最近そっちの方の拡大を特に行っております。
そういう意味では、うちの会社は今、色々なジャンルに対応できるコールセンターになっていると言えます。さらにそこだけに満足せず、あくまでお客様ありきの縁の下の力持ちみたいな存在でしかなかったのを、会社を成長させながら、次は自分たちから社会の役に立つような、犯罪撲滅の一助になるようなアクションを起こすとか、注文があってからじゃなくて、こっちからそういうものを発信するというようなことをやっていきたいというふうに思っております。
函館を中心とした地方都市を盛り上げていっている会社です。
というのが我が社のPRになりますね。
- 最後に経営者タイムズにご紹介いただけそうな良い経営者の方はいらっしゃいますか?
- 栗山町にある朝日産業株式会社の廣岡延博社長をご紹介いたします。
まさにうちの顧問である中田さんの勉強会でご一緒している方なんですよ。
1927年に創業された会社で、あと2年ちょっとで創業100年になる会社なんです。
廣岡社長は4代目の社長なんですけども元日本ハムファイターズの栗山監督とも交流のある方でもあるんです。とても気さくで良い人ですのでご紹介させて頂きます。